
「太陽光パネルを設置したら、売電でどれくらい稼げるの?」——太陽光発電を検討する方から最もよく聞かれる質問のひとつです。「月に何万円も入ってくる」という話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、実際はどうでしょうか。
電気工事の業界で現場を長年見てきた私(エネパパ)が、FIT(固定価格買取制度)の仕組みから2026年の最新買取価格、リアルな売電収入シミュレーションまでを正直にお伝えします。
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結論:年間売電収入は2万〜7万円(自家消費の節約と合わせて評価)

まず結論から。
一般的な住宅(4〜5kWシステム)での年間売電収入の目安は、2万〜7万円程度です。これは家庭の電気使用量・自家消費率・地域によって大きく変わります。
「思ったより少ない」と感じた方もいるかもしれません。実は太陽光発電の経済効果の本命は「売電収入」ではなく、「自家消費による電気代の節約」です。売電単価(15円/kWh)より買電単価(28〜40円/kWh)の方が高いため、発電した電気を自分で使う方が圧倒的にお得。売電収入はあくまで「プラスα」として考えると、長期的な経済効果の計算がしやすくなります。→ 初期費用・回収期間の詳細は初期費用と回収期間の記事もご覧ください。
ただし売電の仕組みを正しく理解しておくことで、設備の使い方も変わってきます。以下でしっかり確認していきましょう。
FITの仕組みと余剰売電とは?

FIT(Feed-in Tariff/固定価格買取制度)とは、太陽光で発電した電気を、国が決めた価格で一定期間買い取ることを電力会社に義務づける制度です。2012年にスタートし、再生可能エネルギーの普及を促してきました。
住宅用太陽光は「余剰売電」が基本
住宅用の太陽光発電(10kW未満)は、余剰売電という方式です。自分の家で使いきれなかった余った電力だけを売電します。「全量売電」(発電した電気をすべて売る方式)は原則として10kW以上の産業用が対象です。
余剰売電のイメージ:
| 昼間の発電電力 | どこに使われるか |
|---|---|
| 自家消費分(洗濯機・エアコンなど) | 電力会社から買わずに済む → 電気代節約 |
| 余剰分(自家消費しきれなかった電気) | 電力会社に売電 → 売電収入 |
| 夜間・雨天など発電できないとき | 電力会社から購入 → 通常通り電気代発生 |
つまり昼間に家にいて電気をたくさん使える家庭ほど自家消費率が上がり、売電量は少なくなる代わりに電気代節約効果が大きくなります。逆に共働きで昼間不在の家庭は自家消費率が低く、売電量は増えますが電気代節約効果は小さくなります。
FIT期間は住宅用で10年間
住宅用(10kW未満)のFIT買取期間は系統連系(電力会社との接続)開始から10年間です。10年後は「卒FIT」となり、買取価格は大幅に下がります(詳しくは後述)。
2026年の住宅用FIT買取価格【最新版】

通常のFIT単価
2025年度の住宅用FIT買取価格は15円/kWh(税込)です(出典:経済産業省 調達価格等算定委員会 https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/。2026年度の最新価格は同サイトでご確認ください)。
年々単価は下がってきており、2015年度は27円/kWhでした。設置が遅くなるほど買取単価は低くなる傾向があります。
| 年度 | 住宅用FIT買取価格(税込) |
|---|---|
| 2020年度 | 21円/kWh |
| 2022年度 | 17円/kWh |
| 2024年度 | 16円/kWh |
| 2025年度 | 15円/kWh |
| 2026年度 | 経済産業省公式サイトで確認 |
注目の「初期投資支援スキーム」(2025年10月〜施行済み)
2025年10月以降に新規FIT認定を受けた住宅用太陽光発電には、新しい2段階買取方式が適用されます。補助金と組み合わせると更にお得になります。→ 2026年に使える補助金まとめ
| 期間 | 買取単価 |
|---|---|
| 1〜4年目(最初の4年間) | 24円/kWh |
| 5〜10年目 | 8.3円/kWh |
トータル10年間の収入は従来とほぼ同等になるよう設計されていますが、最初の4年間で初期投資を集中回収できる点が特徴です。新規設置を検討している方には有利な制度といえます。
※初期投資支援スキームの申請は設置業者を通じて行います。自動適用ではないため、業者に「初期投資支援スキームの申請に対応しているか」を必ず確認してください。詳細は経済産業省 調達価格等算定委員会の公式資料をご参照ください。
売電収入シミュレーション【家庭の条件別4ケース】

「うちの家だといくら売電できるの?」という疑問に答えるために、家庭の条件別に4つのケースでシミュレーションしてみます。
【前提条件】システム容量4.5kW・南向き・関東在住・年間発電量約4,500kWh・FIT単価15円/kWh
| ケース | 自家消費率 | 年間売電量 | 年間売電収入 | 向いている家庭 |
|---|---|---|---|---|
| ケース① | 20% | 3,600kWh | 約54,000円 | 共働き・昼間ほぼ不在 |
| ケース② | 40% | 2,700kWh | 約40,500円 | 標準的な4人家族 |
| ケース③ | 60% | 1,800kWh | 約27,000円 | 在宅勤務・オール電化 |
| ケース④ | 80% | 900kWh | 約13,500円 | 蓄電池あり・高自家消費 |
一見するとケース①が売電収入は多いように見えます。しかし電気代の節約効果を合わせて見ると話が変わります。買電単価36円/kWhとして合計経済効果を比べると:
| ケース | 売電収入 | 電気代節約 | 合計経済効果 |
|---|---|---|---|
| ケース①(自家消費20%) | 54,000円 | 32,400円 | 約86,400円/年 |
| ケース②(自家消費40%) | 40,500円 | 64,800円 | 約105,300円/年 |
| ケース③(自家消費60%) | 27,000円 | 97,200円 | 約124,200円/年 |
| ケース④(自家消費80%) | 13,500円 | 129,600円 | 約143,100円/年 |
自家消費率が高いほどトータルの経済効果は大きくなります。これが「売電よりも自家消費が重要」といわれる理由です。
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卒FIT後(10年後)の3つの選択肢

FITの10年間が終了した後(卒FIT)は、自動的に売電が止まるわけではありません。ただし電力会社が義務で買い取る価格は終了するため、買取価格は大幅に下がります。
電力会社の卒FIT買取サービスに乗り換える
多くの電力会社やエネルギー企業が、卒FIT後の余剰電力を買い取るサービスを提供しています。買取単価の目安は7〜12円/kWh程度(各社により異なる)。FIT期間中より大幅に下がりますが、売電収入がゼロになるわけではありません。複数社を比較して最も条件の良いサービスに申し込むのが基本です。
蓄電池を導入して自家消費率を上げる
卒FIT後は売電単価が下がるため、発電した電気はできる限り自分で使う方がお得です。蓄電池を導入して昼間の余剰電力を蓄え、夜間や雨天時に使うことで、買電量を大幅に減らせます。電気代が高い時代には特に効果的な方法です。
電気自動車(EV)のV2Hで自家消費を拡大する
電気自動車(EV)を所有しているなら、V2H(Vehicle to Home)という仕組みで車のバッテリーに太陽光の余剰電力を蓄えることができます。大容量の「走る蓄電池」として活用でき、卒FIT後の自家消費率を大幅に向上させることが可能です。
売電収入を最大化する3つのポイント
なるべく早く設置する
FIT買取価格は年々下がっています。同じ設備でも、早く設置した方が長期間・高単価で売電できます。初期投資支援スキームの4年間・24円/kWhの高単価期間も、早期設置ほど恩恵を受けられます。「いずれは設置したい」なら、早めに動くほどお得です。
初期投資支援スキームを活用する
2025年10月以降に新規申請した案件に適用される初期投資支援スキーム(最初の4年間は24円/kWh)は、FIT期間前半の収入を大幅に増やします。業者が申請に対応しているかを確認し、確実に活用しましょう。対応していない業者では申請できないため、見積もりの段階で必ず聞いてください。
設備の方角と遮蔽物を最適化する
売電収入の土台は「発電量」です。南向き・傾斜30度前後の屋根が最も発電効率が高く、北向きや影になりやすい屋根では発電量が20〜40%落ちることもあります。設置前に日当たりシミュレーションをしっかり行い、最適な向きと枚数で設置することが売電収入を最大化するカギです。
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