太陽光発電を設置したら「毎月いくら売電できるの?」と気になりませんか?実は2026年度からFIT制度に「初期投資支援スキーム」が導入され、前半4年間と後半6年間で買取単価が変わる2段階制になりました。仕組みを正しく理解しないまま設置すると、FIT後半や卒FIT後の収入が想定より少なくなることがあります。
この記事では電気工事士として10年以上業界に関わってきた私(エネパパ)が、2026年度の最新FIT単価・年間売電収入の計算方法・卒FIT後の選択肢まで、具体的な数字でわかりやすく解説します。
読了時間:約8分
「太陽光を付けたら毎月売電でお小遣いが入ってくるって聞いたんですけど、2026年って単価が変わったって本当ですか?子どもの学費もあるし、実際いくらになるか知りたくて。」
「そうですよね。2026年度からFIT単価の仕組みが変わったので、まずここを正確に知っておくことが大事ですよ。」
この記事でわかること
- 2026年度FIT買取単価の最新情報(2段階制の仕組み)
- 年間・10年間の売電収入シミュレーション
- FIT期間中に知っておくべき注意ポイント3選
- 卒FIT後に損しないための選択肢
- 売電収入を最大化するための設置・運用のコツ
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FIT制度とは?太陽光発電の売電の基本

FIT制度(固定価格買取制度)とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電力を、国が定めた固定価格で一定期間買い取ることを電力会社に義務づけた制度です。2012年7月にスタートし、太陽光発電の普及を後押ししてきました。
住宅用の場合、発電した電気をすべて売るわけではありません。自宅で使い切れなかった余った電気(余剰電力)だけを売る「余剰売電」が基本となります。「全部売れる」と思っていた方は要注意です。
余剰売電と全量売電の違い
| 区分 | 仕組み | 対象 |
|---|---|---|
| 余剰売電 | 自家消費した残りを売電 | 住宅用(10kW未満) |
| 全量売電 | 発電した電力すべてを売電 | 産業用(50kW以上) |
住宅用の10kW未満システムは余剰売電のみです。自家消費率が上がるほど売電量は減りますが、それは「自分で使って節約している」ということなので、トータルの経済メリットは変わりません。
FIT認定を受けるための条件と手続き
太陽光発電を設置したからといって、自動的にFIT制度が適用されるわけではありません。住宅用(10kW未満)は「再エネ電子申請サービス」からのオンライン申請のみ受付となっています。審査期間は案件や時期によって異なりますが、概ね1〜3ヶ月程度かかることが多いです。設置工事と並行して早めに動くことをおすすめします。
私が担当したお客さんで、FIT認定の申請書類に不備があり、認定が2ヶ月ほど遅れてしまったケースがありました。書類の確認は施工業者と一緒に念入りにやっておくことが本当に大事です。
2026年の売電単価は?年度別の推移と今後の見通し

FIT買取単価は毎年度見直されており、年々下がってきた時期もありましたが、2024年度以降は再び引き上げられています。
家庭用(10kW未満)の買取単価の変遷
| 年度 | 買取単価 | 備考 |
|---|---|---|
| 2012年度 | 42円/kWh | 制度開始 |
| 2016年度 | 31円/kWh | |
| 2020年度 | 12円/kWh | |
| 2023年度 | 10円/kWh | 最安値水準 |
| 2024年度 | 16円/kWh | 引き上げ転換 |
| 2025年度 | 15円/kWh | |
| 2026年度 | 前半4年:24円・後半6年:8.3円 | 2段階制(初期投資支援スキーム) |
※出典:経済産業省 調達価格等算定委員会(資源エネルギー庁発表)
2026年度の2段階制は、2025年10月1日以降に認定申請した案件に適用されます。前半4年間は24円/kWhと高めに設定し、初期費用の回収を後押し。後半6年間は8.3円/kWhに下がります。10年間の平均買取単価は(24円×4年+8.3円×6年)÷10年=約14.6円/kWhです。
私が業界で感じるのは、「2012年の42円時代がいつか戻る」という期待は難しいということ。ただし2026年度の前半24円は近年で最も高い水準で、設置するタイミングとしては悪くないです。
発電量シミュレーションで地域別の発電量を確認してから、売電収入の見込みを計算してみてください。
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年間売電収入の計算方法【シミュレーション例】

売電収入の計算式はシンプルです。
年間売電収入 = 余剰売電量(kWh) × 買取単価(円)
余剰売電量は「年間総発電量 - 年間自家消費量」で求められます。自家消費率は家庭の生活スタイルや昼間の在宅状況によって異なりますが、一般的に40〜60%程度です。
【シミュレーション例①】4人家族・4.5kWシステム・2026年度FIT申請
- 年間総発電量:約4,500kWh
- 自家消費率50%:自家消費2,250kWh、余剰売電2,250kWh
- 前半4年の年間売電収入:2,250kWh × 24円 = 約54,000円
- 後半6年の年間売電収入:2,250kWh × 8.3円 = 約18,675円
- 10年累計売電収入:約33万円
【シミュレーション例②】子育て世帯・5kWシステム・2025年度FIT申請(15円)
- 余剰売電量:約3,000kWh/年
- 年間売電収入:3,000kWh × 15円 = 約45,000円
- 10年累計売電収入:約45万円
売電収入だけでなく、電気代削減の効果も合わせてシミュレーションすると、トータルの経済メリットが見えてきます。
地域別・容量別の売電収入早見表(年間・2026年度FIT前半24円)
| システム容量 | 年間発電量目安 | 自家消費率50%の余剰売電量 | 年間売電収入(前半4年) |
|---|---|---|---|
| 3kW | 約3,000kWh | 約1,500kWh | 約36,000円 |
| 4kW | 約4,000kWh | 約2,000kWh | 約48,000円 |
| 5kW | 約5,000kWh | 約2,500kWh | 約60,000円 |
| 6kW | 約6,000kWh | 約3,000kWh | 約72,000円 |
※年間発電量は日照条件が良い地域(東海・近畿・関東など)の目安です。北海道・東北・山陰などは1割程度少なくなる場合があります。
FIT期間中に注意すべき3つのポイント

① 売電収入が年間20万円を超えたら確定申告が必要
住宅用で20万円超えはほぼないですが、複数システムを持つ方や事業利用の場合は要確認です。詳しくは確定申告・売電の税金の記事をご覧ください。
② 蓄電池を後付けすると余剰売電量が減る
「蓄電池を付けると売電収入は変わらない」と思っている方が多いですが、これは誤解です。蓄電池で自家消費率が上がる分、余剰売電量は確実に減ります。ただし、売電収入の減少以上に電気代削減効果が大きくなるケースも多いので、トータルで判断することが重要です。
③ 認定失効に注意
FIT認定後、一定期間内に系統連系(電力会社への接続)が完了しないと認定が失効するケースがあります。施工業者と連携して、認定から接続までをスムーズに進めることが大切です。
卒FIT後の選択肢を比較|買取継続・自家消費・蓄電池

FIT期間(住宅用10年間)が終わった後を「卒FIT」と言います。卒FIT後は自動的に大手電力会社の買取に移行しますが、その単価は大幅に下がります。
電力会社の買取単価はどのくらい下がる?
| 電力会社 | 卒FIT後の買取単価(2025年度実績) |
|---|---|
| 北海道電力 | 8円/kWh |
| 東北電力 | 9円/kWh |
| 東京電力 | 8.5円/kWh |
| 中部電力 | 7円/kWh |
| 関西電力 | 8円/kWh |
| 九州電力 | 7円/kWh |
※各社公式サイトより(2025年度実績。年度ごとに変更される場合があります)。最新単価は各電力会社の公式サイトでご確認ください。
FIT期間中の単価と比べて大幅に下がります。卒FITが近づいてきたら、選択肢を事前に検討しておきましょう。
新電力・アグリゲーターへの乗り換えで収入を増やす方法
卒FIT後の選択肢は大きく3つあります。
① 電力会社への売電継続(最もシンプル)
手続き不要で自動移行できますが、単価は7〜9円と低水準です。
② 新電力・アグリゲーターへの乗り換え
売電単価が10〜15円程度になるサービスも出ています。ただし会社によって条件が異なるため、比較が必要です。
③ 蓄電池を導入して自家消費率を上げる
卒FIT後のタイミングで蓄電池を導入し、余剰電力を貯めて夜間に使う方法です。蓄電池の仕組みと選び方も参考にしてみてください。また、太陽光と蓄電池をセットで活用する方法については太陽光発電と蓄電池のセット導入もあわせてご覧ください。
売電収入を最大化するための設置・運用のコツ

パネルの向き・角度を最適化する
南向き・傾斜角30度前後が最も発電効率が高いです。東西向きは南向きより10〜15%発電量が落ちます。太陽光は真南から光を垂直に受けるほど発電効率が上がるため、向きと角度はパネル1枚あたりの年間発電量に直結します。現場でよく見るのが、東西分割設置で発電量が15%落ちているケースです。設計段階で必ず確認してください。
定期的な清掃・点検でパフォーマンスを維持する
パネルの汚れや影が発電量を落とします。汚れが積もると表面への入射光が減り、発電量が数%〜10%程度低下することもあります。年1回程度の清掃と、パワーコンディショナー(インバーター)の動作確認をおすすめします。私の経験上、点検をサボった家で「最近売電量が減った気がする」と相談が来るケースが少なくありません。
複数社から相見積もりを取って設置費用を抑える
売電収入の前提となる「初期費用をどれだけ安く抑えるか」が重要です。同じシステム容量でも業者によって100万円近く差が出ることがあります。相見積もりを活用して適正価格を見極めましょう。
よくある質問(Q&A)

Q. 2026年度のFIT買取単価は何円ですか?
2026年度(2025年10月1日以降申請分)は前半4年間が24円/kWh、後半6年間が8.3円/kWhの2段階制です。10年間の平均買取単価は(24円×4年+8.3円×6年)÷10年=約14.6円/kWhになります。
Q. 太陽光を設置すれば自動的に売電できますか?
いいえ、FIT制度の認定申請が必要です。「再エネ電子申請サービス」から申請し、審査に概ね1〜3ヶ月程度かかります。設置前から手続きを進めておきましょう。
Q. 蓄電池を付けると売電収入は減りますか?
はい、自家消費率が上がる分、余剰売電量は減少します。ただし電気代の削減効果がその分増えるため、トータルの経済メリットで判断することが大切です。
Q. FIPとFITは何が違いますか?
FIP制度(フィードインプレミアム)は2022年4月に開始した制度で、市場価格にプレミアムを上乗せした価格で買い取る仕組みです。ただし、住宅用(10kW未満)の方はFITが自動適用されるため、FIPを選ぶことはできません。FIPは主に産業用・中規模以上の案件向けの制度です。
まとめ|2026年のFIT単価で売電収入を試算してみよう

この記事のポイントをまとめます。
- 2026年度FIT単価は2段階制:前半4年間24円・後半6年間8.3円(10年間の平均買取単価は約14.6円)。近年では高い水準の前半単価を活かせる
- 住宅用は余剰売電のみ:自家消費した残りを売るため、自家消費率50%の4.5kWシステムで年間約54,000円(前半4年)が目安
- 卒FIT後は戦略が必要:大手電力への自動移行は7〜9円と低水準。新電力乗り換えや蓄電池導入を検討しよう
売電収入は設置する業者・パネル品質・初期費用によっても変わります。まず初期費用・回収期間を確認したうえで、太陽光と蓄電池のセット導入も視野に入れながら、複数社に相見積もりを依頼して、最もコスパの良い提案を見極めてください。
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